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水美会

 毎月第二水曜日の夜に水美会と称する、骨董の同好会を開いている。それぞれが銘々に好きなものを持ち寄り、好きなことを云い合う。なかなか面白い会である。
 僕は前回に引き続き今回も磁州窯の焼き物を用意した。今回はどんなものをみんな持ってくるのか楽しみだ。毎回とても勉強になる。もし参加したいと思う人があれば何時でも声をかけてください。

  水美会 毎月第二水曜日 夜8時~
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by harakobijyutu | 2007-11-14 19:29

琉球漆器

 大阪は淀屋橋の界隈に一軒のインド料理屋がある。イスラム教徒のおやじさんが営んでるところで、店の中に入ると、なんとも言い難いスパイスの匂いと、テレビから流れるインド映画の音に、一瞬大阪のオフィス街にいることを忘れてしまう。そんなお店だ。
 僕はいつもお世話になりっぱなしの骨董屋のご主人(O氏)に紹介されて、ここで二人晩御飯を食べることにした。O氏は本当に人生経験が豊富な人で話が面白い。それにいろいろなことに詳しいので一緒にいて飽きがこない人だ。
 シシカバブにインドカレー、サモサにプリンスチキンといろいろな料理が目の前に並び、それらをつまみながら、中国やベトナム、インドネシアや人間国宝、と話がつきない。
 
 僕は酔いも手伝って、ひとつ前から気になっていたことを聞いてみた。
「前に、中国は雲南省の小さな町で漆の茶卓を買ったんですよ。」
 こう切り出すとすかさずO氏が、
「ほー、どんなやつやね?一遍みてみたいな。」
「いや、たいしたものじゃないんですが、一つ気になることがあるんですよ。」

 僕の話はこうだ。雲南の小さな町、名前は大理。大理石で有名な町で、僕は漆の茶卓を購入したことがある。店の主人がなかなか頑固な人で一向にまけてくれないので、最終的に抱き合わせでいろいろ買った中に付いてきた物だ。日本に帰って、店に出してみると非常によく似た漆の茶卓が店にもあった。母が買っていたもので、これは琉球漆器だと言われた。僕はその時、
雲南と沖縄の漆器というものはよく似ているもんだな、と思った。
 と、まあこんな話だ。

 するとO氏は、
「それは琉球や、いや、君が大理でこうたもんがそもそも琉球の漆器や。」
こうさらりと答えた。
「いやいや、でも大理は小さな町だし、雲南は非常に足場の悪いところですよ。むかしから琉球と繋がりがあるとは思えませんよ。」
僕は少し頭をかしげながらこう反論する。
「きみな、その漆器は金で文字が書いあるとゆうてたね、それは間違いなく琉球や。自信もって教えたげるは。」

 O氏がいうにはこうだ。沖縄にはもともと漆の木などないそうで、中国から原料を輸入しては、漆器を作り、それを今度は中国や日本に売っていたらしい。このことは最近かなり研究が進んでわかってきたことで、昔は琉球と中国物の区別が非常に難しいものがたくさんあったそうだ。
僕が聞いた茶卓などでも、中国で見つけたものは中国物のように考えていた時代もあったらしいが、今では様式さえみれば、それが琉球漆器か中国物か判別するようになったそうで、僕のは完全に琉球らしい。

 O氏はつづけてこう述べた。
「国境があいまいやった時代は、あれはあれで人がよう動いてるもんや。不思議なぐらい遠くから日本のもんが出るっちゅうことはようあることや。正倉院をみてみい、中東のもんでもようけあるやろ。あの時代もアレはアレでかなり国際的なもんやったんや。動いてる本人はなかなかそこまで考えてないやろうけどな。」

 その後も、O氏の話はいろいろな所へ飛びながら、夜は更けていった。僕はインド人のおやじさんを眺めながら、はるか昔にもこのおやじさんのように、国を出て仕事をしていた人のことなんかを想像していた。

 しかしここのチャイはマジでうまいな。
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by harakobijyutu | 2007-11-08 22:34