<   2011年 02月 ( 1 )   > この月の画像一覧

排骨屋さん


 中国に居た頃、今もあるのかどうか分からないが、排骨屋と仲間内で呼んでいる店があった。

 排骨とはアバラ肉とか、骨付き肉みたいなもので、肉の味が強くおいしい部分をさす。

 この排骨屋は、少々値段の張る店ではあったが、日本円で考えるとすこぶる安く、なにより旨いの

で、たまに友人と出かけていた。今考えるとこのような店はもう中国からも沢山消えているのではな

かろうか?どういう仕組かというと、まず席に座り注文をする。我々はもっぱら排骨である。他の客

もほとんどがそうだ。すると大きなどんぶりに排骨の中華風スペアリブというようなものがぎっしり

と詰め込まれてやってくる。従業員からビニールの手袋を渡される。そう、箸も使わず手で齧り付け

ということなのだ。さらに殻入れは無い。そう、殻入れは床なのだ。このダイナミックさ、これぞ大

陸、中国である。我々はここでは豪快に食べ、豪快に散らかすのである。本当に気持ちがいいもので

もある。

 店を出る時、従業員がモップで床を拭き、道を作ってくれる。まるでモーゼの十戒のごとく、油と

骨、タバコの吸い殻やいろいろなゴミの海が裂け、道ができてそこを歩いて帰る。あまり安い靴では

油で滑り危ないが、かといって高い靴ももったいない。そんな店だ。

 ごくごくたまに、私はこの店のことを思い出す。日本ではもちろん、中国でもあまり見たことのな

い店であった。もしまだあれば、また訪ねたいものだ。
[PR]

by harakobijyutu | 2011-02-01 11:20