「中国にはいい骨董品なんてほとんどないよ。」
北京に店を構えて11年になるという主人は、こう切り出してきた。
実際、今回北京に来て驚いたのは圧倒的な贋物の量だ。朝陽区の南に古玩城という、骨董屋が100軒以上は入っているモールがある。自分の力量ではまだまだ判別の難しいものや、見た瞬間にわかるような贋物まで、ありとあらゆるものがある。
主人は更にこう言う。
「この3,4年で骨董屋が100倍以上に膨れ上がっちゃってね、まったく嫌になるよ。」
近々、道路を挟んだ向かい側に、8階建ての古玩城ができる。規模はざっと見てもここの3倍以上だ。別の骨董通りも改装中、とてつもない骨董ブームである。
「たまに本物が出るとスゲー高いんだよ。とてもじゃないけど買えないよ。」
彼は年々難しくなる、中国の状況を憂いているように呟いた。
ようするに、現在の中国、空前の好景気の中で大量の金余りが起きている。すると自然と関心が美術品に集まり、とんでもない高値の骨董品が出現してくる。これに押される形で贋物もでてくる。おまけに中国にはほとんど状態のいい本物が存在しない。値段は上がる一方。と、こういうわけだ。
しかし、ものは考えようである。たしかにいいものは高い。これはどの世界にも通用していえることである。では中国の骨董界で高いものとは何か?それは中国人が求める古美術品である。
ならば中国人の関心が余り高くないもの、これに焦点を当てれば安くても良い物があるはずである。此処から先は、皆さんで考えて欲しい。
我こそはと、眼力に自信のある方は是非、中国へ行かれてみては如何だろうか?
# by harakobijyutu | 2007-09-03 14:45