板碑の美

 今年の一月、大阪の天神筋を歩いているとチラチラと古本屋さんが目に入って来た。フラッと中へ

入り出逢ったのが、鈴木道也:著「板碑の美」である。正直驚いたし、少し嬉しくもあった。まず、

板碑の本が市中にあるという事実。骨董や古美術というだけでも十分マニアックなのに、あえて板碑

である。いろいろな先人に感謝せねばなぁ、という気持ちにさせられた。

 と、同時に九州のお客さんの顔が浮かんできた。もう3年になるだろうか、一度だけ板碑を扱った

ことがあり、その板碑を買ってくださった方だ。私はその人の顔を思い出しながら、本の購入を決め

た。

 それからひと月余りが過ぎ、名古屋へ仕事の関係もあって行った折、少し観光をと大洲観音へ参っ

た。歴史は膨大に存在し、まだまだ知らないことの方が当然多い世の中、しかし大須観音の傍、万松

寺に信長の父、信秀の廟所があるとは全く知らなかったので本当に驚いた。早速写真に収め、家へ帰

ってから板碑の本を開いてみた。まさしく解説に書かれている通りで嬉しくなった。

下の写真が、信秀公の墓である。スタイルは宝篋印塔、形式は関西、隅飾りから見て時代は室町期、

彫られている種子はキリークで阿弥陀を意味する。

 うーん、これはただマニアックなだけでなく凄い本だと実感をした。いつの日かこの本に載ってい

る日本最大の板碑がある秩父へ行ってみたくなった。
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# by harakobijyutu | 2011-03-04 16:04

排骨屋さん


 中国に居た頃、今もあるのかどうか分からないが、排骨屋と仲間内で呼んでいる店があった。

 排骨とはアバラ肉とか、骨付き肉みたいなもので、肉の味が強くおいしい部分をさす。

 この排骨屋は、少々値段の張る店ではあったが、日本円で考えるとすこぶる安く、なにより旨いの

で、たまに友人と出かけていた。今考えるとこのような店はもう中国からも沢山消えているのではな

かろうか?どういう仕組かというと、まず席に座り注文をする。我々はもっぱら排骨である。他の客

もほとんどがそうだ。すると大きなどんぶりに排骨の中華風スペアリブというようなものがぎっしり

と詰め込まれてやってくる。従業員からビニールの手袋を渡される。そう、箸も使わず手で齧り付け

ということなのだ。さらに殻入れは無い。そう、殻入れは床なのだ。このダイナミックさ、これぞ大

陸、中国である。我々はここでは豪快に食べ、豪快に散らかすのである。本当に気持ちがいいもので

もある。

 店を出る時、従業員がモップで床を拭き、道を作ってくれる。まるでモーゼの十戒のごとく、油と

骨、タバコの吸い殻やいろいろなゴミの海が裂け、道ができてそこを歩いて帰る。あまり安い靴では

油で滑り危ないが、かといって高い靴ももったいない。そんな店だ。

 ごくごくたまに、私はこの店のことを思い出す。日本ではもちろん、中国でもあまり見たことのな

い店であった。もしまだあれば、また訪ねたいものだ。
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# by harakobijyutu | 2011-02-01 11:20

ゆく年くる年


 ことしも今日で終わる。

 御蔭さまで、年末の売り出しは盛況に終わり、原商店も正月の準備にと忙しくさせてもらっている。

 折からの寒波で、今日も瀬戸内には珍しいほど寒さが厳しい。

 来年はどんな年になるだろうか?まだ見ぬ美術品に、来年は巡り合えるだろうか?そう思うと楽しくなる。

 新年は、一月九日からの営業となります。

 本年同様、来年も原古美術をどうぞ宜しくお願いします。

 それでは、皆さまにとっても来年が良い年でありますように
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# by harakobijyutu | 2010-12-31 10:30

異形の胎動


 11月9日、私は笠岡へ一人の若手芸術家、川埜龍三の展示会を観に行った。

笠岡は毎月この日に骨董のオークションをしている。展示会はそのすぐそばの美術館なので、私はオ

ークションを覘いてから行くことにしていた。しかし、今回のオークションはこれと云って私が欲し

い物はなく、途中で見切りをつけて展示会へ向かった。

 入口からさっそく龍三ワールドが出迎えていた。この美術館は笠岡が誇る画家、竹喬を集めたその

名も笠岡市立竹喬美術館であり、昔から精力的な企画を行うことで私自身結構好きな美術館のひとつ

である。さらに今回の川埜龍三という作家は私原古美術、および姉妹店甦謳るにとって非常に縁の深

い作家であり、なんだか私自身も非常に今回の展示会は嬉しくてしょうがないのだ。

 会場内の空気は完全に龍三ワールドへと変質をしており、初期の作品から今現在の作品までゆっく

りと観ることが出来た。個人的には初期の平面や、最新の立体に非常に魅かれ、願わくば手に入れた

い衝動に駆られた。

 今回行った竹喬美術館へ是非川埜龍三の作品を観に行ってみたい方はここを覘いてください。

  http://www.ryuzo3.net/
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# by harakobijyutu | 2010-11-12 13:26

綾小路きみまろさん、来店!!

 
 昼飯時に電話が鳴った。ばあさんが出て、

「誰だか来るらしいよ。」

 とのこと。

「誰だろうね、声は男の人だった?」 と、私。

「じゃったなぁ。」 と、ばあさん。

 暫くして3人組の男性客が、お店に入ってきた。

 私は早速店に出て、挨拶をしお茶を点て始めた、、、、、、その時。

 一人の男性、帽子を被り、派手目のシャツを着、大きな声で色々と話し、いかにも中心人物と思われる

その男性。私はハッとなった。

「あの、綾小路きみまろさん?ですよね。」

 男性は少しバツの悪そうに、でもちょっと嬉しそうに、

「そうですよ。」

 と、応えてくれた。

 よくテレビなどできみまろさんが骨董好きだとは聞いていたが、まさか内へ来店するとは思っても無かった。

こんなことが福山で起きるなど、、、そういえば今日はキャッスルホテルで独演会があるはずだった。チケット

は早いうちに完売してしまい、家族で残念がったのを思い出した。

 ようするに内は、家族ともどもファンなのである。

その後は、ばあさんを呼び、一緒に骨董談義に花を咲かせた。

 本当に嬉しかった!!

 帰ってから母や弟にこのことを伝えると、

「なぜ、呼ばなかったのか?」と激しく責められたが、私としては自慢げになって笑ってしまう。

 きみまろさん、またフラッとお立ち寄りください。今度は母も紹介しますので。

 独演会がんばってください!!
 
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# by harakobijyutu | 2010-08-31 14:20