はじめに、今回私どものブースに足を運んで頂いた、全ての方々に感謝します。本当にありがとうございま
した。
採遊記を始める前に、ひとつ説明をしたい。(有)原古美術店は、鑑賞陶器を中心とする原古美術と、現代
作家、プリミティブアートなどを中心とするスペース甦謳る(ソウル)の二店舗で運営されている。今回のアート
フェア東京2012はこのスペース甦謳るが力を入れている作家、川埜龍三の立体、平面作品と原古美術の所
蔵品である、中国の古陶磁を共同展示させることによって生まれる、一つの空間を展示することにあった。テ
ーマは「遺るものの力」である。私個人の考えにも、以前から「古美術と現代アートは共存できるものである」と
いう考えがあり、そこに川埜龍三さんからも作品を出してよいと言う返事を頂き、出店という運びになったの
だ。
3月28日 早くに東京へ入り、会場へも2時間以上前に到着した。国際フォーラム、その箱は非常に大きく
て、中では多くの人間がブースの下準備にとひっきりなしに動いていた。これも大東京においては、ほんの一
部にしか過ぎない場面なのだろうが、地方の福山から出てきている私にとっては、まるで巨大な町おこしのプ
ロジェクトのように目に映った。
会場入り前、作家龍三さんとセイカさんとも合流し、私と弟の4人で入る。今日はこれからブースの設営、展
示の準備である。「壁を今回は金で行く」との龍三さんの意見に賛同し、みんなで壁をつくる。慣れない作業で
はあるが、いい展示にしたいという思いで設営に携わった。古美術の世界で生きている私にとっては、ほぼ初
体験であり、なんだか龍三さんに申し訳なくもあった。
いざ出来上がると、白けた空間にぐっと趣が出来、個人的には秀吉の茶室のような空間にも思えた。

置のためだけに、モリさんが駆けつけてくれ、いろいろな助けを貰いながら、なんとか4時に間に合った。
会場全体へのアナウンスが入る。「各ブースの皆さま、お客さまのお出迎えを宜しくお願い致します」
いよいよである。
その後から4月1日 多くのお客さんが入れ替わり立ち替わり、ブースへ見に来てくれた。作品を目にしたと
たん顔が崩れて、ニンマリとなり子供のように見入る人、眼を見開いて興奮気味に見つめる人、ただ立ち尽くし
てしまう人。その誰もがこのB-16ブースに酔いしれてくれている感じが伝わり嬉しい。

原古美術のブースは、個人的な思いもあるが、そうとうインパクトの強い、それでいて内容もしっかりと備わ
ったブースになったと思う。いうならば「大人の秘密基地」のような空間であり、「贅沢に好きなものだけを集め
た部屋」となった。正直ここにソファを置いて座り、ウイスキーか何かいっぱいやりながらゆっくり眺めれたら
最高である。「遺るものの力」とは「良いものは良い」という根本に前提を置き、ならば2000年前のものでも
いま作られたものでも、必ずまた、後世に遺るものとなりうる、ということ。
しかし本当にいい空間です。一杯やりたかったなこの中で。
最後に、今回の展示を快く引き受けてくださった、作家川埜龍三さん、並びにセイカさん。そして会場の設置
に尽力くださったモリさんや搬出に来てくださった皆様、本当に感謝します。
そして改めて、会場に来てくださった多くの皆さまに質問です、龍三良いでしょ?応援してやってください。
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# by harakobijyutu | 2012-04-05 17:43