もう何年も前の話だ。中国へ長いこと留学をしていた。正月とか盆には日本へ帰るように決めていた私は、その年も、盆に日本へ帰っていた。帰ってから考えることといえば、今度はどうやって、昆明(私が住んでいた中国の都市)へ帰ろうか?という算段ばかりである。というのも、日本へ帰る時はいつもなるべく速く帰りたい、という欲望に駆られいつも飛行機を使って数時間で帰ってしまう。それに比べて何故か中国へ出向くときにはのんびり中国を周って、昆明へ到着しよう、という欲望に駆られるのだ。
そんなこんなで今回選んだルートは、
蘇州号(国際フェリー) 大阪→上海 約2日間
列車 上海→蘇州 約1時間
列車 蘇州→長沙 時間?
列車 長沙→貴陽 時間?
列車 貴陽→昆明 時間?
こんな感じ。時間的には最長二週間くらいにしようと決定。一体どうなるのだろう?と思いながら、家を後にした。
蘇州号。
この船は特等、一等、二等、雑魚寝、とまあ、こんな感じに分かれていて、僕は雑魚寝が嫌だったので二等にした。一部屋に二段ベットが二つ、計四人が宿泊する形になっている。ベットにはカーテンがあって、完全に一人になることも可能。これは嬉しい。
ちなみに後で雑魚寝部屋を見に行ったが、一部屋20畳くらいの何もない空間があり、そこへ各々布団を敷いて寝る、といった感じでした。なんというか合宿を思い出す、そんな空間であります。
ほかにも食道、ラウンジ、大浴場に大広間、と設備がいろいろとあるが、ハッキリ言ってすぐに飽きる。そこで自然発生的にいろいろな人との交流が始まる。私も何人かの旅行者と仲良くなり、その中の一人と一緒に旅を続けることになった。
上海
この話の舞台。そう、上海で話は始まる。浦東、というバックパッカーにとっては聖地のようなホテルがあり、そこは一日50元で泊めてくれるという格安。大きな部屋にベットが等間隔に並べてあり、服務員にベットを割り振られる。私は確か奥から二番目のベットだったのを覚えている。
安全面を気にする方もいるかもしれないが、基本的にこういったドミトリー、という形の宿泊場所ではほとんど盗難が起こらない。というのも起こすとこういった形が崩壊するからだ。そうなるとこれ以上安いホテルは上海に存在しなくなり、安い旅をしようと思う者たちにとって、これほどの痛手はないからだ。
屋根裏部屋に設けられたドミトリーの部屋には、まぶしいくらいの日差しが差し込み、個人的には非常に気に入ってしまった。
続く
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▲ by harakobijyutu | 2008-02-13 11:39